ごあいさつ

北村メンタルヘルス研究所のホームページにようこそ
ライフステージとライフサイクルからメンタルヘルスを見てみよう。

北村メンタルヘルス研究所
所長 北村俊則

私は、これまで30年以上の研究を通じて、人間の心理現象を理解するのは、目の前にいる個人の心理状態を詳細に観察するだけでは不十分であると考えてきました。
ひとは、生まれてから死亡するまでのライフステージのいずれかの時点に置かれており、この営みは次の世代へと伝えられるライフサイクルを形成し、さらにこうした人間の発達は、家族・友人・知人・同僚・地域住民といった周囲の人々との対人関係の中で形成されており、さらにこうした人間関係は、文化・風土・法制度などさらに広範囲の環境のなかに位置付けられています。
医療や福祉は、こうした全体像を理解することで、個人個人をより深く理解でき、そのことが個人の価値に沿った医療を展開できる基礎になります。

私は、精神医学を「人間のさまざまな心理活動を『こころの動き』を道具として研究の対象とする学問」であると定義しています。所詮、人の心は脳がなければ存在しません。
しかし脳を研究したからといって人の心のすべてが解るものでもないのです。「脳の研究では解らない心の部分」を研究するのが精神医学であり、「脳の研究では解らない心の部分」を癒すのが精神科医療であると考えます。
こうした言明を具体化したものが、ライフステージ、ライフサイクル、文化というキーワードで精神医学と精神科医療を俯瞰するという手法です。

10年間の大学生活ののち、今回、北村メンタルヘルス研究所を立ち上げました。
当研究所は(1)独自の研究(2)研究の受託(3)各種研修会(4)職域におけるメンタルヘルスポリシーの助言(5)メンタルヘルスに関する出版を目的としています。

研究の受託

皆様が個人あるいは施設として行う調査・研究の次のような点でお手伝いしております。

  • 調査・研究の立案
  • アンケート用紙作成助言
  • 先行研究検索指導
  • 倫理委員会への申請書準備
  • データ入力指導
  • リサーチクエスチョン
  • 報告書準備

たとえば…

  • クライエントの満足度を調査し、臨床サービス向上のヒントを得たい
  • 医療施設の外来統計から特定疾患の危険要因を見つけ、学会で報告したい
  • 特定の疾患について前方視的追跡研究を行いたい

など、さまざまな領域でお手伝いさせていただきます。

職域におけるメンタルヘルスポリシーの助言

職域におけるストレスから心理的不調(抑うつ、不安、不眠、希死念慮など)が起こりやすい状況が多くみられます。これまでは、発生した事例ごとに対処することが産業医の主たる業務でした。当研究所は、これまでの研究の成果から「職域の予防的メンタルヘルス対策」の助言や 援助をさせていただいております。たとえば…

  • 企業のメンタルヘルスポリシーの起草
  • 企業全体あるいは特定部署の従業員の心理的適応度の調査と、心理的不適応の原因探索
  • 事例発生時の包括的援助システムの制度設計

などを行っております。

その他の詳細はこのホームページに掲載しております。

所長経歴

1972年3月 慶応義塾大学医学部卒業
1972年5月 慶応義塾大学医学部精神神経科学教室入局
1973年5月 精神医学研究所附属東京武蔵野病院勤務
1976年8月 英国バ-ミンガム大学精神医学教室並びにバ-ミンガム市オ-ルセインツ病院勤務(Honorary Research Fellow 及び Senior House Officer)
1979年12月 英国王立精神医学会会員資格
(Membership of the Royal College of Psychiatrists)*
1980年7月 慶応義塾大学医学部精神神経科学教室勤務(助手)
1983年10月 国立精神衛生研究所(現国立精神・神経センタ-精神保健研究所)
老人精神衛生部(現老人精神保健部)老人精神保健研究室室長
1991年9月 国立精神・神経センタ- 精神保健研究所 社会精神保健部部長
1993年2月 英国王立精神医学会フェロウ資格
(Fellowship of the Royal College of Psychiatrists)*
2000年12月 熊本大学医学部神経精神医学講座 教授
2003年4月1日 機構変更 熊本大学大学院 生命科学研究部 臨床行動科学
(こころの診療科)教授
2010年10月1日 北村メンタルヘルス研究所設立
*日本人としては最初の Royal College of Psychiatrists (UK) の正会員ならびにフェロウである。
北村メンタルヘルス研究所所長 北村敏則
北村メンタルヘルス研究所所長
北村俊則
1989年1月~ 雑誌「精神科診断学」
(医学振興社 後に日本評論社)
(1989年1月~1991年1月代表編集委員)
1993年7月~1997年12月 British Journal of Psychiatry
1995年1月~ Psychiatry and Clinical Neurosciences
1998年1月~ Archives of Women’s Mental Health
1998年1月~ International Journal of Offender Therapy and Comparative Criminology
2007年10月~ 精神科診断学(編集委員長)
2008年1月~ Open Family Studies Journal
(Regional editor)
専門領域 気分障害(含む:死別反応)
不安障害
パーソナリティ障害
周産期精神疾患(含む:妊娠うつ病・産後うつ病)
愛着障害(育児不安)と児童虐待
産業(学校)精神医学
精神科診断学と症状評価法

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